本校は創立以来一貫して、服飾を初めとするもの創りの専門教育を推し進めてきているわけですが、技術、知識、資格など実社会につながる職業教育は専門学校としての使命であり、その「もの創りの教育」から、創る厳しさ、喜びなどを学び、社会の多様性、多様な価値観を理解させるという究極の教育目的の達成につながっていくことだと思います。
そして、更にベーシックなことなのですが、創立者が掲げた校訓にある、和する、敬う、質実な、美を求めるという4つの「心の教育」です。これは荒廃する現代にこそ光り輝く内容であり、人間として生きていくために最も大切な「心」という永遠のテーマとも言えることを、子供たちにずっと語り続けていくことを忘れてはなりません。
「もの創りの教育」と「心の教育」、これらをただマニュアルとして話していても子供たちには決して伝わらないと思います。我校で出会った全ての子供たちを分け隔てなく心底可愛いと思い、愛する気持ちをもって接し、共に夢を語り続けていくことができて初めて伝わっていくのではないでしょうか。それは決して簡単なことではありません。しかし先に生まれた人生の先輩として、そして特に笹田学園の先生として「子供たちへの愛情」をもつことは必須条件であります。
本校は昨年度、創立60周年を迎えることができました。以上のことを、心に定め、私はこれからも我が教職員と共に、多くの皆様方のお力をお借りしながら、次なる70周年に向けて情熱をもち続け頑張ってまいります。
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